お取り寄せの魚の二日目は甘鯛。
大きめだったので、欲張って四品作りました。
頭と中骨、腹骨などで潮汁。
アラは塩を振って10分ほど置き、80度くらいのお湯を満遍なくかけます。すぐに氷水にとり、残った鱗や血合いなど綺麗にとります。
かぶるくらいの水を入れ、昆布(10cm)、酒(約80ml)を入れて火にかけ、煮立ったら昆布を引き上げ、すぐに弱火にし、浮いてくる灰汁を丁寧にとります。
決して煮立たせないこと。YouTubeではプロでもグツグツ煮立たせているのがありますが、そうすると汁が濁ります。
このようにしてできた汁は澄んでいて、とても上品な味になります。私は塩も醤油も一切入れませんでしたが、ちょうど良い塩加減で、甘鯛の旨味が凝縮されていて、素晴らしく美味しい潮汁でした。
三枚におろした半身は皮を引いて昆布締め。甘鯛は身が柔らかく、皮も薄いので丁寧に扱わないと悲惨なことになります。
なので、お刺身にするときでも、さっと塩をした方が身崩れを防げると思います。
そぎ切りにした昆布締めの甘鯛にゆで卵の黄身を散らしました。春の訪れが感じられて、綺麗です。
板ずりにした胡瓜の薄切りを添えて。ねっとりした昆布締めのお味は極上でした。(醤油も塩もレモン汁も何もつけずに昆布の旨味と塩加減で十分美味しいです。)
三品目は塩焼き。焼く寸前に塩を振って、いつものようにパーチメントペーパーをフライパンに敷いて焼いたのですが、きっちり焦げ目が入る前にひっくり返そうとして、皮が取れてしまいました。
この調理法で初めて失敗しました。それだけ甘鯛の皮は薄いので、余程注意が必要です。
でも、脂がのっていて、塩焼きもとても美味しかったです。
最後の一品はかぶら蒸し。例年お正月には作っていたのですが、今回は材料が揃わず断念したのですが、日本食料品店で百合根があり、買っておいたのは幸いでした。
丁寧に剥がし、綺麗にした百合根数枚はあらかじめ柔らかに茹でておきます。
一口大に切った甘鯛は薄塩をして5分位おき、冷水で洗ってから水分を拭きます。
茹でた百合根と甘鯛を器に入れ湯気の上がった蒸し器で5−6分。
一方蕪(中2個)は皮が綺麗だったら皮をつけたまま摩りおろし、笊に上げて水を切ります。丸く円を描いて摩り下ろすと繊維が切れてキメが細かくなります。(おろし金の質も大事です。)
蕪の4分の1ほどの量の長芋をすりおろして加え、さらに卵の白身を小匙1/2−1ほど加え、水で戻した木耳の細い千切(大匙1ほど)を混ぜ合わせます。(卵の白身は冷凍ができます。お菓子作りで余った白身は1個ずつ小さいジップロックに入れて冷凍しておくと便利です。)
数分蒸した甘鯛と百合根の上に、上記の蕪のすりおろしを乗せ、さらに6−7分蒸します。
蒸している間に銀餡作り。鰹出し汁を吸い口加減に調味し、水溶き片栗粉でぽってりさせます。かなり濃い餡の方が良いです。
蒸しあがった上にこの銀餡をかけ、最後に山葵をのせて出来上がり。
これは熱々が真情ですので、最初に具を蒸し、蕪を乗せて蒸し、熱い銀餡をかけ、熱々を頂きます。
例年お正月に作る私の蕪蒸しは、海老、鰻、百合根、銀杏。時に慈姑なども入れるアメリカとしては豪華なものですが、甘鯛と百合根だけの蕪蒸しもすっきりとして、とても美味しいものでした。
この日は朝から晩まで忙しい日で、その合間にこれだけの料理をするのは正直、少し大変でしたが、その大変さが十分に報われる美味しい食卓でした。
Stay Healthy!ご訪問ありがとうございました。